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介護のお仕事 その2(食介) [介護]

 介護のお仕事をしていて何が一番辛く苦手に感じるかというと、私の場合は食介です。
 
 食介とは文字通り、自力で食事ができなくなった方へ食事のお手伝いをする行為なのですが、口を開けて食べる意欲を見せてくださる方ならともかく、「もういらない。食べたくない」と、食事の度に辛そうな表情をなさる方もいて、そういった方への食介はとてもとても気が重くなります。
 自分のしている行為が、『虐待』にも思えてきます。

 実際、欧米では食べる意欲を示さなくなった高齢者に、無理に食事を摂らせることはないそうです。
 『食べない』ことも、個人の自由であり権利だと。
 『食べさせないと死ぬ』のではなく、『死んでいくから食べなくなるのだ』と。
 そして、食べる意欲をなくした人に無理に食事をさせるのは、『虐待』に当たると。
 そんな訳で、欧米には寝たきりの高齢者も胃瘻(いろう)の高齢者もいないのだそうです。

 日本は世界一の長寿国ではありますが、寝たきり老人数が世界一の国でもあります。
 何の目的もなく、食べたくもない物を食べさせられ、自分の意志もうまく伝えられず、ただベッドに寝たきりで毎日の時間をやり過ごす……といった高齢者が、日本を世界一の長寿国にしているのです。
 現在の日本の介護現場の状況から見ると、果たして長寿がおめでたいことなのかどうなのか、私はとても複雑な気持ちになります。

 欧米の、個人の『食べたくない』権利を認めるという考え方と、日本の『口から、あるいは胃から栄養を摂れるうちは、なんとしても生かす』という考え方と、みなさんはどちらに共感しますか?

 『食べること』は『生きること』と同義語です。
 自然界の動物達も、歳を取ったら次第に食べなくなって、やがて静かに土に還ります。
 もし私が高齢になって食べる意欲をなくしたとしたら、「はい、もう少しがんばって!ちゃんと飲み込んでください」なんて、無理に食事を勧めることなく、そのまま自然に枯らせて逝かせて欲しいです。

 と、私がそう思っていても、周りがそうはさせてくれないのかもしれませんがね。(ーー;)
 
 歳を取って死んでいくということも、一見、自然なことのように思えますが、実はなかなか難しいことなんだなあと、しみじみ思う今日この頃です。
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